「体からのSOS」→「自分の体を自分で守ろう」 (1)
今日から「体からのSOS」を紹介します。
SOSは救助信号であることがほとんどの人に知られ、SOSの信号があれば、それなりに対応していくのも当たり前のこととなっているが、体から発信しているSOS信号は、残念ながらほとんどの場合には無視されている。その理由は体からのSOS信号の意味を読めないからである。結果的には、症状の軽いうちに迅速な対応をすることができず、軽い自覚症状が徐々に重症化し、治療も困難となり、体にも経済的にも大きな負担となってしまう。
例えば、疲れやすい、イライラしやすい、ドキドキしやすい、食欲ない、寝付き浅い、頭痛などの自覚症状を感じても、採血、精密機器の検査で異常が出ない場合には、現代の医学理論では、ほとんどの場合は、これらの自覚症状が体からのSOSと認識が出来ず、無視されつつ、早期的かつ適切な治療を受けることが不可能となる。
三千年の歴史を持つ中医学の理論では、これらの自覚症状こそ、体からのSOSの救助信号と考えられ、それぞれのSOSの救助信号(自覚症状)が系統化つまりシステム化され、発生する原因と体内異常変化まで教えてくれるため、早期的かつ根本的な原因治療が可能となる。
これから「体からのSOS」の意味の読み方を中医学の理論から解説し、簡単かつ効果のある治療法を紹介し、自分の体を自分で治すテクニックを身につけ、一刻でも早く体からのSOSに気付き、軽いうちに適切な治療と予防を実現出来たらと思っています。
第一章 疼痛に関するSOS
疼痛は日常生活や臨床現場では、最も多い自覚症状であり、検査で疼痛の原因がはっきり判明しているのはごくごく一部であり、90%以上の疼痛の原因は判明できない。しかし、疼痛という症状は身体のあらゆるところから発せられるため、ほとんどの人は何らかの疼痛を感じたことがあるはずである。
疼痛が出れば、絶対に何かの原因があるはずである。痛みは体からのSOS信号であり、早く助けてほしいという救助信号である。だから、中医学の理論では原因のない疼痛が出るはずはないと考えている。
ここでは、採血や精密機器の検査で異常の出ない疼痛(SOS)の発生する原因、体内の異常変化及び簡単に対応する方法を紹介し、病院に行かなくても、自分で対応及び治療ができたらと思っている。
第一節 頭痛に関するSOS
SOS1.頭痛に項背部も凝っていて痛い、鼻詰まり、鼻水
〔SOSの意義の読み方〕
① 発病する原因→冷え
② 体内の異常変化→体表の毛細血管が収縮され→③血行不良
①〔冷えのきっかけ〕 発病の2・3日前或は前日に
・雨に濡れたかどうか
・天候が急に寒くなったかどうか
・汗が出てる最中に、開けた窓の近くに行ったかどうか
・熱いお風呂の後に、すぐに扇風機をかけたかどうか
・冷房の近くにいたかどうか
・窓を開けて寝たことがあるかどうか
・すごく冷房の効いた電車に乗ったかどうか
・寒い環境での作業があるかどうか
・・・など
②〔体内の異常変化〕
以上の原因により冷えを中医学は「風寒邪の侵入」*と称する。
風寒邪→体表に侵入→体表にある毛細血管が収縮され→血流の通りが悪くなり、ひどい場合
には完全に閉ざされるところもあると考えられる。
ここで注目してほしいのは、体表の毛細血管が膨大な網状に構成されているため、これが
一気に収縮されると、血流の通りが相当に悪くなるということである。もちろん、冷えの程 度によりますが、冷えがひどいほど、血管の収縮が強くなり、血流の通りが悪くなる。
そこで、頭には血管が豊富ため、収縮されると血流の通りが悪くなる、結果は「不通則痛→血流の流れがよくないと疼痛が生じる」となり、頭痛が生じる。
③〔SOSの意味の略図〕
原因(風寒邪)→体内の異常(毛細血管収縮、血流の流れが悪い)→結果(頭痛)
④〔治療方針〕
車の故障をなおす時には「修理」という、人間の体の「故障」をなおす時には「治療」 という。実は、治療にしても、修理にしても原理は一緒である。つまり、「故障の原因」を 取り除くことである。だから、原因を明確にすることは治療の絶対的条件である。体からのSOSからその発病する原因や体内の故障も教えてくれるため、治療方針も立てられる。
つづきあります