(難病治療)ジストニア 症例報告 中医鍼灸・推拿の総合治療

〔症 例〕 30代女性、 2012年12月にジストニアと診断された。2012年12月19日来院

〔主 訴〕

* 2012年11月から数字・漢字・カタカナ・ひらがなが書きにくくなり、来院の一週間前に、人指し指が硬直状態になり、ペンも持たなくなり、全然書けなくなった。

〔経 過〕

2012年11月から数字・漢字・カタカナ・ひらがなが書きにくくなり、毎朝、仕事の始めには少し書けるが、徐々に指が硬直状態になり、次指が曲がらなくなり、ペンも持たなくなり、書けなくなり、来院の一週間前に全然書けなくなった。

2012年12月18日にて北野病院の神経内科にで「ジストニア」と診断され、脳のMLR検査は異常なしという結果でした。ランドセン細顆粒0.1%の薬を処方され、服用せず、12月19日に来院し、2013年1月24日に神戸にある神経専門病院にて再度診察を受け、同じく「ジストニア」と診断された。

〔来院時の症状〕

・数字・漢字・カタカナ・ひらがななどすべての字が書けなくない。

・次指が硬直状態で親指と合わさってペンを持つことができない。

〔触  診〕

・右上肢の前腕と上腕に筋肉のかたまりが散在し、圧痛が激しい。

・手足がつめたい

・脈→両手とも弦細濡弱、両尺部が沈滑

〔望  診〕

・右手がペンを持つ際に、指が曲がらず、伸ばしたままの状態

・舌質淡、舌質の大きさは正常

〔辯証=診断〕 気虚血瘀、痰阻経絡型

普段の日常生活には、寒い時でも薄着や冷たい飲食の過度な摂取などの生活習慣があるため、体が血行不良の状態となっていて、これは発病のもとと考えられる。

さらに、ついた仕事は細かい数字、平がな、漢字の大量かつ長期的に

わたって書きすぎで、右手(効き手)の筋肉や神経に慢性的な損傷が本病発症のきっかけとなり、中医学がこれを気虚血瘀、痰阻経絡と判断する。

〔治療方法及び治療方針〕

週に3回鍼灸と推拿整体の総合的な治療を行いました。

治療方針は補気活血、化痰通絡となる。

〔治療結果〕

・8回目(1月8日)の治療に来院時に、本人が「次指の硬直状態がだいぶ良くなり、ペンが持てるようになり、大きな字なら書けるようになり、小さい字はまた書けない」と喜んで言っていた。

・1月10日の来院時には、「1月9日の午前中に、いつものように字の大きさと関係なし2時間ほど書いた」本人が言っていた。

 

・1月17日には4時間ほど書けるようになった。

・1月19日には以前のように普通に書けるようになっている。

・・・

・3月7日(木)の来院時には、「昨日の水曜日は仕事が終わるまでまったく、疲れずに書けた」と喜んで言ってました。

〔現   状〕

今では筋肉や神経の回復のための治療をされています。

〔治療感想〕

難病患者の治療において最も重要な一歩は精神的なケアとなる。

まず、治療し始ってから症状改善までの精神的ケアは、治療効果に重要な影響をもたらす段階である。

患者によって精神的な負担がそれぞれですが、この患者の場合はジストニア(難病)と診断されてから、ネットで患者の闘病日記やジストニアの治療現状について一生懸命に調べ、「なかなか治らない病気」や、「病気で仕事もやめざるを得ない・・・」などについての記載が余りにも多く読んでいて、精神的な負担が日に日に拡大していくのが感じる。

過度な精神的なストレスだと、内臓の働きをさらに悪くする可能性があり、血流の流れも悪く影響が考えられるため、患者の精神的な不安を取り除くのが、治療の過程において重要な一歩となる。

〔対応法〕

毎回治療しながら、①過乗な精神的なストレスと内臓の働きや血行の関係や②良くなるには自分の出来ることについて繰り返して説明し、患者も徐々に納得し、精神的な不安を最小限に抑え、治療を受けるようになり、さらに、症状の改善が言った通りになっていくため、患者の安心感や前向きの気持ちが見えてくる。

 

つぎに、治療途中の精神的ケアが治癒に大きく左右される

難病の患者が症状の好転進行に非常に敏感し、心配や不安の要素となり、早くもいろいろな面から察知して、早くも対応しておくことは、治癒の過程において重要である。

 

〔治療中の出来ごと〕

この患者は、12月20日に治療しはじめ、症状の改善が順暢でしたが、ある土曜日に、決まった治療日に急用で来られなくなり、その結果は書きにくい状態が2か月近くに続いでしまい、治療途中の「この一回だけ」の空きで、治癒に大きく左右することが患者も治療者も痛感した。

こういった出来ごとで、私も患者も互いに反省し、患者はやっぱり先生の言った通りになっちゃうねと言っていた。

この患者は花粉症もちで、治療期間中目のかゆみや赤目を抑えるため、アレルギーに効く薬を飲んだが、木、金曜日の二日間に飲んだが、土曜日に来院時に、「今日は書きにくくなっている」、火曜日治療しに来た際に「この何日は書きにくくなった・・・」と言っていた。

なぜ、書きにくくなった。その原因を探るため、アレルギーを抑える薬を服用することが分かっていた。弱くなっていた上肢神経が、薬に反応した可能性が考えられる。

「神経専門病院から処方された睡眠剤を飲まなくてよかった・・・」って患者が来院治療して間もなくのことを思い出して、やっぱり、先生の言った通りになっちゃうねと言っていた。

 

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